政府は11日の「人生100年時代構想会議

政府は11日の「人生100年時代構想会議」で「人づくり革命」の具体化に向け、本格的な議論を始めた。人口減少や高齢化が進む中で、付加価値の高い人材育成は日本の経済成長を維持するために不可欠だ。ただ、教育無償化などに必要な財源のあり方や、国民・企業の意識改革など、越えるべきハードルは少なくない。(山口暢彦)

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 「『人づくり革命』は1億総活躍社会を作り上げる上での本丸であり、内閣最大のテーマだ」

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 安倍晋三首相は会議でこう意気込みを示した。この日、検討を指示した政策は、いずれも日本経済の生産性向上につながる取り組みだ。

 大学教育の無償化は、優秀な人材が経済的事情で大学に入るチャンスを逃し、社会の損失となるのを防ぐ狙いがある。大学でITなどの最新技術を社会人が学び直す機会を増やすことは、イノベーション(技術革新)を支える人材層を厚くすることにつながる。ただ安倍首相が「財源がなければ政策は実現できない」と述べたように、無償化などに必要な巨額の財源確保は、今後の大きな焦点だ。

 また、英ロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏はこの日の会議で、「人生100年時代には、これまでの『教育』『仕事』『引退』の単線型の人生でなく、(年齢に応じて柔軟にステージを選ぶ)複線型の人生になる」と述べ、人生の概念そのものが変わると指摘した。

 長い人生を金銭的に支える意味合いからも、「共働き世帯が増えるなどの家族のあり方が変化する」「生涯にわたる学習、教育が重要になる」とする。問題は個人や企業の関心をいかに高めるかだ。市場関係者からは「長寿化への危機感がなければ、(個人や企業は)前向きに学び直しなどに取り組もうとはしないだろう」との声も上がる。

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 茂木敏充経済再生担当相は会議後の会見で「財源やインセンティブ(誘因)、制度改正など、それぞれの分野のあるべき政策を検討する」として、総合的な構えで臨む考えを示した。国を挙げた議論の深化が求められる。